固体中の電子軌道に着目した物性研究

鉄鋼、磁石、半導体など新しい材料の発見によって、私たちの生活・社会は大きく変化してきました。最近では、次世代情報社会の実現に向け、省電力性と高機能性を両立する電子材料の開発が最重要課題の一つになっています。
物質中に存在する多数の電子が強く相互作用する系では、化学的性質(元素の種類や結晶構造など)や物理的環境(温度・磁場・圧力など)を僅かに変化させることで、様々な電子相が現れます。本研究室では、物性物理や固体化学を用いて、遷移金属化合物や希土類合金などの無機結晶、そして有機分子からなる分子性導体といった幅広い物質を研究対象とし、物質中の多数の電子が織りなす秩序構造や応答現象の研究をしています。異なる物質で生じる現象の間に普遍性を見出し、新しい電子物性の設計へ繋げることを目指しています。そして、情報技術の省電力化や高機能化につながるような未来の材料を見つけたいと考えています。


最近の研究内容

反強磁性体におけるトポロジカルホール効果の実証

Nature Physics (2023). [https://doi.org/10.1038/s41567-023-02017-3]

超高密度な磁気渦を示すシンプルな二元合金物質の発見

Nature Communications 13, 1472 (2022).

分子内電荷移動に誘起された多軌道反強磁性金属相の観測

Bull. Chem. Soc. Jpn. 94, 2540 (2021)

Phys. Rev. Research 2, 033321 (2020)


主な研究手法

バルク・薄膜の物質合成、磁化や電気伝導などマクロな物性計測、そして散乱実験や核磁気共鳴(NMR)など微視的な実験手法を駆使することで、物質が持つポテンシャルを明らかにします。

物質合成
物性計測
微視的測定